デザインとは?資料づくりがうまくなる「なるほどデザイン」筒井美希著
最近、読書したばかりのデザインノウハウ本を3分で解説してアウトプットしたいと思います。デザイン=楽しい!を実感できる本はこちら!
なるほどデザイン 筒井美希著
MdNコーポレーションが発行しています。この会社の発行本は当たりが多い印象があります。私の「当たり」というのは、買ってよかった〜読んでよかった〜という本。価格と読書にかけた時間の費用対効果が申し分ない本です。
「なるほどデザイン」ってどんな本?
目で見て楽しむデザインの本、と表紙にあります。デザイナーのあたまの中を豊富なビジュアルでひも解く、とも。
全体的に、読むというよりも眺めていて直感的にデザインを知ることができます。理論的にもテキストでシンプルに補われているので「はは〜ん、なるほど。」と思える仕様になっています。ベテランの方には既存の事実だと思いますが、経験の浅いデザイナーにはありがたい内容です。MdNさん、いつも良本ありがたや〜。
なによりも、デザインセンスが時代に合っていて美しい!!デザインについて書いているくせに、一番大事なデザインがダサい本とかありますから。どれとは言いませんが。
デザイン業に関係ない人でも、日ごろから資料をつくらなきゃいけない人、学校で印刷物やらポスターやらをつくる機会があって、「もうちょっと読みやすく、イカしたものにしたい」「資料づくりがうまくなりたい」という悩みをかかえている人にも役立つかなと思います。
デザインとは?がわかる本の中身について
画像やイラストなどのビジュアルの量が多いですが、それらをうまく使って、デザインのビフォアーアフターが分かりやすく説明されてます。
もくじは下記のとおり。
引用
- Chapter1:編集×デザイン
- 編集とデザインの関係
- デザインしてみよう
- Chapter2:デザイナーの7つの道具
- ダイジ度天秤
- スポットライト
- 擬人化力
- 連想力
- 翻訳機
- 虫めがね
- 愛
- Chapter3:デザインの素
- 文字と組み
- 言葉と文章
- 色
- 写真
- グラフとチャート
本の中身について、もくじに目を通しただけでも興味がわきやすいと思いました。気になる部分から読んでも理解できるようになってます。「デザインとは?」という質問にはもくじのワードを引用して答えられそう。
“デザイナーの7つの道具”に愛が含まれているあたり、職場の上司が40代以上の精神論好きな熱血タイプから影響を受けていそうな気がしますがwキレイ事が苦手な私は、クライアントや広告を見るターゲット層の視点をどれだけ考えられるか、課題解決に尽力できるか、という熱意という意味にとらえました。
一番おもしろかった章は「資料づくりがうまくなるノウハウ」
私が一番おもしろかった章は、“Chapter3:デザインの素”の“グラフとチャート”です。
“あなたは、とあるレストランの店長です。”という見出しで、一枚のレシートの画像が添えられています。“お店のこの日の売り上げから読み取れることは?”というクイズに対して、どんなグラフやチャートを使うか考えさせられる内容になっていました。
もとショップ店員だった私としては、「プレゼン資料にめっちゃ使えるノウハウだわ!」ってテンションが上がりました。(だいぶヘンなところで上がる)このグラフのノウハウを使えば資料づくりがうまくなりそうな予感がします。
- パーセンテージの比較なら『円グラフ』
- 商品の部門数ごとの比較なら『横棒グラフ』
- 昨年対比での売り上げ比較なら『縦棒グラフ』
- 客数や単価の分布比較なら『折れ線グラフ』
数値を分かりやすく資料にまとめたい人にはとても参考になる考え方だと思います。視覚的に相手に伝わりやすくなるので、プレゼンで企画を通したいなら使ってみると効果的なデザインノウハウなのではないかなと。私も今後、数値をいじって誰かを説得するときに参考にさせていただきます。
このデザイン本のノウハウが実際にどう役立った?
クリエイター向けのセミナーなどに参加することがあるのですが、“擬人化力”という考え方は、プロのアートディレクターの人たちもアイデアを整理していくときに使うノウハウのようです。人間だから、人に興味があってイメージしやすいってことなんだろうと思います。
“デザインの素”にある、文字組みと色と写真について、デザイン初心者向けの大体のデザインノウハウ本にはその重要性が書かれてます。恥ずかしながら、私は独学でデザインを習得しようと四苦八苦しているデザイナーなんですけど、最初の頃はは「デザインする」となると、なんかスゴイ技術とか知識がないとダメなんじゃないかって思いがちだったんです。でも、文字だけ並べても立派なデザインになります。学校や職場で渡される資料や用紙も、駅のホームの足元の番号も、本棚に並べたときに見える本の背表紙のカバーも、みんな文字だけでデザインされています。色で化粧して、適切な画像を添えるだけでもそれらしくなります。
「なるほどデザイン」を読めば、それがもっとよく理解できるんじゃないかな。
どのフォントにするか、何色にするか、どの画像にするか、「選択」が大事なんだーって、駆け出しデザイナーの私は現場で得た、大いなる学びでした。現場じゃなくてもそうした基本的なノウハウが詰まっています。
デザイナーだけでなくて、将来の夢がデザイナーっていう人や、これから美大に入りたい人にオススメできるんじゃないかなと思います。この本を読んで、「もっとがんばろう」と思えた本でした。
さて次回は、「私の仕事力を上げた本」について読書したことをネタバレしていきたいと思います。