テクノロジー時代の新しい経済観念のつかみ方を知る「お金2.0」①

今回は初めて買った電子書籍の本のネタバレを5分で解説していきたいと思います。

お金2.0佐藤航陽著

お金2.0 佐藤航陽著

「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」佐藤航陽著

編集者がなにかと話題になってます
ビジネス書籍でヒット続出中の幻冬舎が出版したベストセラー本です。

仮想通貨、ビットコインフィンテック・・・
最近、新聞やニュースで見聞きするようになって久しいコトバです。

テクノロジーとお金が組み合わさった新しい価値観。

私もいっときその話題にハマりましたが、今は収束した感じです。

まだ全然分からなくてイライラしてしまう
遅れてる感があって焦りを感じるなら一読の価値があります。

「お金2.0」ってどんな本?主観も添えて

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ここ数年の間にめまぐるしいテクノロジーの進歩によって、
「お金の価値」が変わり経済のあり方も変わりつつあるといいます。

経済やお金の起源とメカニズムにまで深掘りしながら
どう変わってどうつき合っていけばいいのか
大きな経済の最前線で活躍する著者なりに考え抜かれたヒントが詰まっていました。

生まれ年が一緒という・・
福島出身だそうで地元が近いですね。

お金の話となると
うさん臭さや金の亡者感が漂いそうですが。
しかもビットコインとなると倍増。。

著者はどんな人か?その生い立ちが早い段階で書かれています。

著者は母子家庭で育ち
経済面での理不尽に全力で抗おうと勉強に励まれたそうです。
幼少期から人生に影響してきたお金の正体をつかんで
社会の仕組みを実現しようと考え
自分で会社を作って事業を始めたそうです。

お金や経済を理解しようとしているうちに
株式市場に上場するに至った、というのだから驚きです。

経済面での理不尽さを感じた人って、悔しさを肥やしにして
大金を稼ぐようになる人が多い気がします。
私は恵まれてる方だったんだなって思います。

・・・こんな風に
共感を得られるような分かりやすい文章で書かれていますよ。
経済系の本って、カチカチした文章が多いですけど
この本はかみ砕いてやわらかいタッチで書かれています。
著者の人柄なのかな?
「経済って難しそう」と先入観を持っている人にも
内容がつかみやすいと思います。

読み終われば「仮想通貨」や「フィンテック」など
流行りの情報にも焦らず冷静になれた気がします。
よく分からないけど新しいお金への警戒心を払拭されました。

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 [ 佐藤航陽 ]

お金の正体をあばき、時代に合ったお金との付き合い方を知る全5章

もくじ引用

第1章 お金の正体
3つのベクトルが未来の方向性を決める/急激に変わるお金と経済のあり方/お金とは何か?/お金が社会の中心に位置づけられた資本主義/中央銀行の仕組み/仮想通貨は鏡の世界?/膨大なデータから見えてきた「経済システム」の構造/経済とは「欲望のネットワーク」/人の手で経済は創れるか?/発展する「経済システム」の5つの要素/経済に持続性をもたらす2つの要素/ビットコインに感じた「報酬設計」の秀逸さ/「経済システム」の活用/持続的に成長する組織の条件/勝手に拡大するサービスを作るには?/「小米」に学ぶ経済圏の作り方/経済と脳の深い関係/進化する、脳が欲する「報酬」の種類/脳は飽きやすいー変化と不確実性/快感は他人との比較によって高まる/ゲームとは報酬回路を人工的に刺激する「優れた装置」/快楽物質は強力すぎる諸刃の剣/「自然」は経済の大先輩/経済と自然の根底にある同一システム/企業経営を通して学んだ「ビジョン」の重要性/有機的なシステムとしての経済マトリョーシカ人形のような入れ子の構造/自然の秩序に反したルールの危険性/ダ・ヴィンチには見えていた“ひとつの世界”
第2章 テクノロジーが変えるお金のカタチ
テクノロジーの変化は点ではなく線で捉える/今起きているのはあらゆる仕組みの「分散化」/分散化する社会とシェアリングエコノミー/中国がリードするシェアの世界/「評価経済」でまわる中国/国家を代替するトークンエコノミーの可能性/トークン化する世界/完全に分散した経済システム:ビットコイン/「自律分散」という次世代の成功モデル/AIとブロックチェーンによる無人ヘッジファンド/中国の無人コンビニ/テクノロジーによって経済は「作る」対象に変わった
第3章 価値主義とは何か?
限界を露呈し始めた資本主義/資産経済の肥大化と金余り現象/お金にはなりにくい「価値」の存在/社員の満足度を投資判断の材料にするファンド/資産としては認識されないデータの「価値」/資本主義から「価値主義」へ/「価値」の3分類/資本主義の問題点をカバーする「価値主義」/「共感」や「感謝」などの内面的な「価値」の可視化と流通/「評価経済」の落とし穴/社会的な価値・ソーシャルキャピタルの可視化/営利と非営利の境界線が消える/ベーシックインカム普及後の、「お金」/「経済」は選べばいい/複数の経済圏に生きる安心感/「時間」を通貨とする経済システムの実験/タイムバンクとVALUの正体/デジタルネイティブからトークンネイティブへ/「価値主義」とは経済の民主化である
第4章 「お金」から解放される生き方
人生の意義を持つことが「価値」になった世代/若者よ、内面的な「価値」に着目せよ/「儲かること」から「情熱を傾けられること」へ/人間の心は放っておくとすぐサビる/「お金」のためではなく「価値」を上げるために働く/枠組みの中から「枠組み自体を作る競争」へ
第5章 加速する人類の進化
お金にならなかったテクノロジーに膨大なお金が流れ込む/電子国家の誕生:エストニア/宗教と価値主義/「現実」も選ぶ時代へ/人類の経済圏は大気圏を突破する/「お金」は単なる「道具」である

黄色いマーカーで線を引いた部分は、私が気になったところ。

“仮想通貨は鏡の世界?”

この章では、話題のビットコインの正体について分解しています。話題性もあるけど得体のしれない感じがするのでピックアップします。

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 [ 佐藤航陽 ]

日本人が生みの親?仮想通貨ビットコインってなんだ?

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私たちがよく知っているお金は、
中央銀行を通して発行されていて政府の干渉を受けています。
発行する量を増やしたり減らしたりして
管理する人間がいます。

一方でビットコインなどの仮想通貨には管理者が不在。
不在でも自動でまわる仕組み化されています。

権威者に干渉されない在り方。
ブロックチェーンという履歴を保存するプログラムにより
改ざんできない革新的なシステム。
換金しなければ為替の変動を受けずに
国境をまたいで使えるコイン。
それら気に入った人たちが熱狂的に欲しがることで価値が上がり
「もうかるらしいぞ」という話題性に食いついた人たちが集まっていきました。

ビットコインの数は有限なので
全部が所有されるとそれ以上の発行はできないそうです。
そのあたりも景気に合わせて発行される普通のお金と違います。
数に限りがあるからという限定感もあるんでしょうね。

仮想通貨を直訳すると「バーチャルなお金」
怪しいですw
私たちが知っている「お金」とはまったく異なる存在で
金融に詳しい著者ですら“こちら側とあちら側”というように
意識して頭のスイッチを切り替えているそうです。
ビットコインを「仮想通貨」って呼んでしまっているところが
大勢の誤解を生んでいるんだと気づきました。

金融業界でたくさん勉強していた人ほど理解に苦しんでいる一方
もともと知識がなかったり若い人に受け入れられやすい存在。

今の子供たちはお金への認識が私たち世代とは
まったく違ってくるのかなと思いました。
物やサービスを買おうとするときに
日銀で発行されているお金も使うし、
バーチャル上に存在するコインも使うし、
ポイントも使う。
ただの支払い方法であって、
どれが正規のお金かなんて気にしなくなるのかも。

仮想通貨は、海外によく行く人や
投資やテクノロジー
プログラミングに興味がある人なら
面白いし使い勝手がいいのかなという印象です。
ただ、そっちに弱い人や興味が薄い人が
わざわざもうけようと仮想通貨を手に入れてどうする?
っていう根本的なことに気づけると思います。
もうけ話だったら他の興味がある方面で稼げばよろしいんじゃないでしょうか。

仮想通貨に対する著者の視点は「もうかること」ではなくて
嫉妬するくらい仕組みが素晴らしいことに触れています。
うさん臭い印象を持ってましたが
その魅力が紐解かれてネガティブな印象が薄まった気がします。
日本人が生みの親ってところにちょっとだけ安心感。

この本を通して、なんで仮想通貨がここまで流行ったのか
理由がわかるのではないでしょうか。

とりあえず今のところ私には必要のないものだということはよくわかりました。

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 [ 佐藤航陽 ]

豊富な教養を交えて、未来のお金との付き合い方まで書いてるのが他のお金の本との違い

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この本はお金のもうけ方のハウツー本じゃありません。
過去現在未来の経済を見すえながら
お金への価値観教育をほどこしている本だと思います。

とくに印象深かった章が、ここ。

“経済と自然の根底にある同一システム”有機的なシステムとしての経済

経済のあり方を自然界の法則に当てはめた考え方。

経済のメカニズムをひたすら考えてきた著者からみて
経済と1番よく似ているのが自然界だそうです。
たしかに食物連鎖により絶妙に成り立っていて
自動で回っている経済の不思議に気づきました。

「自然界が経済に似ている」のではなく、「経済が自然に似ていたからこそ、資本主義がここまで広く普及した」

この文章は目からウロコが落ちる思いがしました。

歴史を見ても
社会主義を政策に取り入れた国がうまく立ち回らなくなったことや
資本主義の価値観が今も経済を発展させ続けていることから
弱肉強食のあり方が世の中に残りやすいんだと納得いきました。

人間も社会で戦うとなったら本能的になっているってことでしょうか。

 

まだまだ書きたいことがあるんですけど
長くなりそうなので今日はここまで!

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 [ 佐藤航陽 ]

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