欲を抑えるときのコトバ〜ホッと息ぬき老子さん。
私は疲れた日に流し読む本を決めていて、日めくりカレンダーみたいにパッと開いたページだけ読んだりします。
ちょっとタメになってアタマが良くなった気分になる本!
老子・荘子の言葉100選 (知的生きかた文庫) [ 境野勝悟 ]
今日パッと開いたコトバは老子のコトバ。
「われに三宝あり。持してこれを保つ」
「老子」という書にあるコトバ。
訳すると“わたしには三つの宝がある”というんですけど、どういう意味なんでしょうか?
老子がもっている三つの宝って、なんなんでしょう?
一に曰く慈、二に曰く倹、三に曰くあえて天下の先とならず
この本では見出しのコトバ以外は省略されてますが、同章につづいて書かれているそうです。
- 「慈」とは人をあわれむやさしい心である
- 「倹」とは自分の欲望を少しひかえ目におさえる
- 「天下の先とならず」とは世の中の流行の先や人々を抜いて自分がトップに立とうとしない
上の3つの性質というか自分の在り方を、老子は「宝」だと言っています。
中でも大勢の人間に必要がありそうなのは2番目の「倹」かな?
倹約ってワードがあるのでイメージしやすいです。
「食べすぎた〜」「飲みすぎた〜」「買いすぎた〜」と後悔している声が日々あちこちから聞こえますけど、なぜかくり返してしまうんですよね。
3番目の考え方は資本主義のご時世じゃぁ賛否が分かれそうですが、老子は先頭やトップに立つことがいけないと言っているのではないといいます。
他人と競争するよりも、自分の中身をみがいて自分の成長のために努力して自然とトップに立つのはいい、ということらしいのです。
他人と競争するってことは他者評価を気にして自分を犠牲にしているともいえます。おまけに他人はつねに成長しつづけるとは限りませんからね。
自分と競い合う意識でいれば昨日より今日、今日より明日、と終わりもなく成長しつづけられる。自分と勝負して気づいたら人の先頭を走っていた、ってことは私にも経験があります。
他人より自分に集中が大事!
▲老子・荘子の言葉100選 (知的生きかた文庫) [ 境野勝悟 ]
老子を150文字以内で知る!
老子とは中国の大昔の哲学者(思想家)で、道を説いている人として有名です。
古くさい人かと思いきや、ゆとりや悟り世代的なゆたかな発想も。
そのコトバはまさに奇想天外!
あまのじゃくで枠にとらわれない考え方が、既成概念でいっぱいいっぱいのアタマと心をほぐしてくれます。しかも本質をついていて「ナルホド」って思えます。
欲を抑えるコトバ「われに三宝あり。」老子でも自制を心がけていた!
大昔の偉大な人でも心がけていた“自分の欲望はひかえ目の方がいい”という考え方は物があふれた現代にも必要ですよね。
欲を抑えたいと思っても、物欲、食欲、金欲、性欲・・生きているといろいろ煩悩がつきません。「宝」と称してまで心がけているってことは、偉大な功績を残してまわりに影響をあたえてきた人ですら欲望をコントロールするのに苦労していたってことなのかもしれません。
ちょっと自信が出ますね。
あるいは欲望で身を滅ぼしたりトラブルをかかえる人々をたくさん見てきて自戒しているのかも。
老子でも自制を心がけていたのであれば、凡人にはなおさら。
老子は「もっと食べたい!」「もっと買いたい!」「もっとモテたい!」と欲することはここでは否定してません。
ただ“ひかえ目”がいいといってます。腹八分目ってことでしょうか。
欲望にさいなまれたときに、このコトバをふり返りたいと思います!
▲老子・荘子の言葉100選 (知的生きかた文庫) [ 境野勝悟 ]