サクセスストーリー「夢をかなえるゾウ」水野敬也著の読書ネタバレ。
【もくじ】
今日は20代のころに読書した本のネタバレを5分で解説していきたいと思います。
記念すべき1冊目の本はこちら。
「夢をかなえるゾウ」水野敬也著
私のモチベーションを上げた本。200万部突破の大ベストセラーになってドラマ化までした本です。このブログを読めば、知ったかできますw
「夢をかなえるゾウ」ってどんな本?
ラストまで“僕”という名もない男の主観で話が進んでいきます。自分を変えたくても三日坊主すら変えられない、しょぼいサラリーマン。そんな主人公がある朝、突然“おい、起きろや”と強引に起こされるところからストーリーははじまります。起こした相手が、長い鼻が特徴的なインドの神様ガネーシャです。イメージ像が表紙に描かれています。
このガネーシャ、神様なのに見た目も中身もオッさんで欠点だらけ。でも、各章ごとに格言的なことを主人公に諭します。主人公は心の中でガネーシャをバカにしつつ文句をたれつつも、だまされたと思って言うとおりにしていったら状況が好転していって、ラストには夢がかなった!という明快なサクセスストーリーになっています。ついでに、神様なのに抜けていて劣等感をもっているガネーシャにもだんだんと愛着がわいてくる仕様になっています。
他の本と違うところ。
この本のいいところは、ご丁寧にも“本書の使い方”というページがあって使い方がわかりやすいところでしょうか。「今の自分を変えたい!」「夢をかなえたい」という人が読書してすぐに行動に移せるような、簡単なミッション形式になっているのが他の本と違うところです。
成功したいけど三日坊主で何も変えられない、ぶっちゃけしょぼい主人公は、ガネーシャと誓約を交わします。
「これはやな、今からワシの言うことをたった一度でも聞かへんかったら、もう一生、何かを夢みることなく、今までどおりのしょうもない人生をだらだら過ごして後悔したまま死んでいきます、という誓約や」
「ワシが教えるんは、自分が変わるために一番簡単な方法やもん。それでも無理やったら、そら一生無理やろ。せやから、ワシの言うこと聞かんかった場合は、自分の将来に対する『希望』をな。代わりにごっそりいただくわ」
だらだらした化身のようなオッさんガネーシャからシビアな言葉が出てきて、ちょっとドキッとします。神様だけに、ラクしてタダでは成功させてくれないということでしょかね。この文章、飽きっぽい自分にも他人ごとに思えなかったです。
巻末には、これまたご親切にも「ガネーシャの名言集」として、読書中に「いいこと言うなぁ、ガネーシャのクセに。」と思わず線を引きたくなる名言とポイントがまとめられています。復習しやすいですね。
こうした格言のような本って、「これを読んだ自分は今日から変われるかも!」と読んでいるときはテンションが上がって自分に期待してしまいますが、変わった気になっただけでおわる人が多い、という現実的な失敗ケースも書かれているのが親切だと思います。「あ、私の事だ」といい気分になって読書している自分を冷静にみられました。
また、メンター(先生)になるガネーシャが、神様なのに大阪弁でしかも自堕落的な性格、というギャップが笑えてきます。マジメな本というわけではないので、読みやすくとっつきやすいと思いました。ゾウ=ガネーシャで、夢をかなえるぞ!という発想からも小さい笑いを取りにいってる感じがしますしね。
この本の説得力は、参考文献と偉人たちの引用数の多さ。
良書には、参考文献が記されているものです。それでもって、実例などの話を引用すると説得力が増します。翻訳された洋書でよく見かけますが、「サラの例」とか「マイケルの例」とか、実名を出して失敗例と成功例をダラダラ書いているパターンがあります。「だから言いたいことはナニ?」という私はガツガツ読みとばしてますが。この本の場合は実例をシンプルにまとめて、ユーモアをまじえて引用しているので飽きずにサラッと読めました。
作中に出てくるのは、41名の偉人たち。(ガネーシャの友達という釈迦などは数に含みません。)
イチロー選手、ビルゲイツといった今も活躍している人、松下幸之助、本田宗一郎、手塚治虫、福沢諭吉、リンカーン、シャネル、ナポレオン、ニュートン、フォード、カーネルサンダース、マイケルジョーダン、ピータードラッカー、エジソン、シェイクスピア、ウォーレンバフェット、モーツァルト、タイガーウッズ、ダーウィン、フロイト、ライト兄弟、孫子・・・(割愛)。読書前から知っていたのはこのへんでした。はじめて知った偉人たちも多く、「こんな立派な人もいるんだ〜」とウンチクになりました。
29個の名言集
この本には、もくじがありません。いつももくじから読書をはじめる糸口にしている私ですが、あくまで物語になっている本なのでもくじがないのかなと思いました。名言は、ガネーシャから主人公へ、夢をかなえるための課題として出されます。
引用
- 靴をみがく
- コンビニでお釣りを募金する
- 食事を腹八分におさえる
- 人が欲しがっているものを先取りする
- 会った人を笑わせる
- トイレ掃除をする
- まっすぐ帰宅する
- その日頑張れた自分をホメる
- 1日何かをやめてみる
- 決めたことを続けるための環境を作る
- 毎朝、全身鏡を見て身なりを整える
- 自分が一番得意なことを人に聞く
- 自分の苦手なことを人に聞く
- 夢を楽しく想像する
- 運が良いと口に出して言う
- ただでもらう
- 明日の準備をする
- 身近にいる一番大事な人を喜ばせる
- 誰か一人の良いところを見つけてホメる
- 人の長所を盗む
- 求人情報を見る
- お参りに行く
- 人気店に入り、人気の理由を観察する
- プレゼントをして驚かせる
- やらずに後悔していることを今日から始める
- サービスとして夢を語る
- 人の成功をサポートする
- 応募する
- 毎日、感謝する
パッと見ても、これをしてナゼ成功へつながるのか疑問ですが、前後の文章を読めば納得できます。年寄りとかがよく言いそうなあるあるなネタですが、その名言が出てくるガネーシャと主人公との前後のやりとりがあって生きてくる名言になっていました。
最初は主人公の考え方と行動を変えるだけの自己完結ですむ課題ですが、だんだんと他人をまきこんだ課題になっていきます。最終的には、主人公の核心(夢)を再認識させる課題へとうつっていきます。まるで現実でもよくある学校のカリキュラムのようです。
この本の心理効果を分析すると?
偉人や権威のある人を出すことによって、本来の価値よりもよいものに見えてしまう心理的な効果を“ハロー効果”というんですけど、このへんをうまくくすぐっているな、と感じました。ハローというのは、後光という意味です。心理学者エドワード・ソーンダイク博士が1920年の論文で提唱しました。
よく、書籍の帯とか広告に地名度の高い「〇〇氏が絶賛!」とありますよね。著者ではないのに、まるで知名度の高いその人が承認して世の中に出されたように見えて「この人のオススメなら買ってみよう!」「この人もやったなら私もやってみよう!」という、あの心理効果です。
虎の威をかりるみたいに、有名人を出すことによって「なんか深いし、いいこと知ったわ〜」という気分にひたれます。ただのオッさんガネーシャと、しょぼい主人公のサクセスストーリーだったらあれほどベストセラーにならなかったんじゃないかな、と思います。私も自分の本棚に大切にしまっていなかったでしょうねwガネーシャや偉人たちの後光がさした本なのかもしれません。
「夢をかなえるゾウ」を読んで夢は叶った?
もしかすると、この本は当時の私がはじめて読んだ自己啓発本だったかもしれません。まだ素直だった私は、ガネーシャの課題を実行してみました。どれくらい行動にうつしたかというと、実行率は100%ですw
中でも大きな変化は「決めたことを続けるための環境を作る」だったでしょうか。実家だと周りに甘えてしまい、ダラけてしまう性分を変えたくて、車で15分の距離に引っ越して、一人暮らしをはじめました。(他にも理由はあるけど、後押しされた感じ)
サクセスストーリーを実践してみた結果、小さな目標=夢は叶ったかな。大きな夢はまだ途中ですが、仕事ではコミュニケーションがスムーズになって周囲から信頼されやすくなったり、当時よりも自分らしくやりたいことをして生きられるようになりました。
主人公に名前がなくラストまで“僕”で通しているワケは、『夢をかなえる主人公は、あなたです。』という著者の強いメッセージがあるからではと感じました。
長くなりましたが、今日はここまで。次回は「私のデザイン力を上げた本。」をアウトプットしたいと思います!